災いを転じて福となす

先月、佐賀の嬉野市で「建築士の集い 佐賀大会」に参加しました。ここ嬉野にある塩田中学校は環境配慮と災害対応を両立した施設として約10年前、開校しました。浦田川と塩田川の中洲にあるこの地域は度々、河川の氾濫に見舞われています。近くには住宅街もあり、当初の計画では学校建物を浸水しないよう盛土の上に建てようとしましたが、近くの住宅街が低い位置になるため浸水をより助長することに頭を抱えていたそうです。そこで塩田中学校は教室の床を浸水しない高さに設定し、逆に現状敷地を約2.4mほど掘り下げ、中庭兼貯水池とすることで地域に開放された空間創出と、住宅街の浸水を軽減させることに成功しました。一般的に建物を建てることは建築主の利益ばかりが優先されがちですが、近隣との共存共栄を果たすことができたことは素晴らしいことです。見習わねばなりません。

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